ぼくぱぐ工房 Blog
2021/04/08 12:57
金澤麻由子の描く
動物たちの小さな美術館へようこそ!
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あるがままを楽しむ専門家
ぼくぱぐ工房です
今日は朝日新聞の記者さんに
今年2月に出版した絵本『きみのなまえ』について
取材していただきました♪
★前回の記事はこちら
⇒出演者発表!『絵本の読み聞かせとコンサート』コスモスシアター|大阪府貝塚市ホール
絵本『きみのなまえ』は、保護犬の実話を元にした物語で、
佼成出版社より1月30日(土)に出版しました。
今日はその絵本いついて以下の5つの項目について取材していただきました。
現代は、ペットショップで血統書付きのペットを飼う方が多く、高額な取引がなされているようですが、一方で、野良犬が保健所に保護されては殺処分されているというアンバランスな現実も同時に起こっています。特に今年は、新型コロナウィルスで家で過ごす時間が増えたことから、ペット需要が増え、一方で、経済不況からペット遺棄されることも増えている現状です。
私の子供時代は日本に野良犬がたまにいましたが、現在ではほとんど見かけません。でも、環境省によると保護犬の数は一年につき4万頭にものぼるそうです。おそらく多くの方が、ブランド犬がもてはやされる一方、殺処分の現実を想像すらできないのではないでしょうか。
1)今回の絵本を制作するに至った経緯
今回の新作絵本は、福岡県中央区ので住宅街に実際にある
「どんぐり山」と呼ばれる小さな森で、
保護した犬と橘さん親子とのエピソードが
2019年朝日新聞掲載(記者:小野大輔)となり、
それを読んで感動した児童文学のあんずゆきさんの発案で絵本化が決定しました。
そこから、佼成出版社の編集者さんが
「犬が可愛く描ける作家さんを」ということで
兼ねてから犬の絵本などで作品展開していた私を見つけていただいて
本作の挿絵を依頼していただいたという経緯です。
2)今回のストーリーに対する印象
最初、原稿を読んだときは
まずは、「私の経験と一緒だ」という印象でした。
私の元に挿絵の依頼が来たとき、私は「YES」と即答しました。
なぜなら、私自身も、野良犬を保護した経験があったからです。
物語を読んで、絵本の中の犬と主人公が、
まるで5歳の時から20年間飼っていた私の犬のように感じられました。
一人っ子だった私に、野良犬の「ポチ」は、様々な経験をさせてくれました。
動物とのふれあいやお世話を通して、
相手に寄り添うこともできるようになりました。
犬のキャラクターデザインは任せていただいたので、
私が飼っていた「ポチ」を描かせてもらいました。
「ほのぼのした物語だな」くらいにしか思っていなかったのですが
キャラクターデザインやラフ画などを進めるうちに
物語の奥行きを感じるようになっていきました。
また、本当にあったストーリーということで
みんな温かい気持ちは持っている
けれど、いざ行動に移すというのは、
また大きな壁となっているんだなと思いました。
一つは、シングルマザーのご家庭の物語だということです。
原稿を読んで、
「お父さんが出てこない物語だな。
仕事に出かけてる設定なのかな?」
そんな風に思ったので、
キャラクターデザインを当初はこのように提案したところ
「お母さんは、シングルマザーの設定です。
キャリアウーマン風にしてください」
との指示があり、自分の固定観念にガツンときたのを覚えています。
頭のどこかで、絵本の中のご家庭は、
お父さんとお母さんが揃っていて・・・
そんな価値観が無意識にあったからです。
そこで、このようにキャラクターデザインは変化しました。
パンツルックでチャキチャキしたお母さんに変身させました^^*
この絵本には、 野良犬という点以外にも、
シングルマザーの家庭が主人公ということも、
従来の絵本ではタブー/マイノリティーとして
描かれてこなかった点ではないでしょうか。
私は、「なぜシングルマザーの設定にしたのか」ということは、
著者のあんずさんに問うことはなかったのですが
「なんとなく分かるなぁ」そう腑に落ちていたんです。
寂しそうな犬を放っておけないような優しさや
ましてや保護するような行動に出るのは
社会で生きる辛さや痛みが分かるからこそだと思うからです。
したたかに自分の足で立ち続けることや
自分以外の存在を守る責任も分かっているからこそ
優しさがにじみ出ると思うのです。
強いからこそ無条件の優しさを持っている。
どんな環境であっても、明るさを絶やさず、
命を守ろうと行動する母子のひたむきな姿を、
絵本の中で描きたいと思いました。
そのことで家族や人との繋がりが多様化している今、
人々の希望になるのではと感じています。
また私自身も母子家庭のような家庭環境でしたが
母と一匹の犬と私とで、明るく生きてきましたので
その点も重なるところが多く、共通項が多かった点です。
3)感想 ・特にこだわった点、注意した点
まずは、クリ(犬)の描写です。
したたかに野生として生きる誇りやプライドもありつつ
でも、どこかで寂しげな表情。
これを擬人化や説明的にならずに
表現することにこだわりました。
具体的には瞳や毛並み、顔や視線の動きなどで
心に訴える描写を心がけました。
また、だんだんと心を開いていく変化も
表情や姿、顔や視線の動きなどで
表現していきました。
あとは、登場人物の母と息子の二人家族がとても
楽しく仲睦まじいこと。
とてもリラックスしていて、シングルマザーの家庭であっても
お母さんが太陽のように照らしてくれていて
家族が思い合ってユーモアたっぷりで生きていることです。
4)ご自身として、作品にどのような思いを込めたか
無条件の愛や優しさや真摯に向き合う気持ちが、
やがて言語を超えて繋がっていく・・・
動物と人との心の触れ合い
その変化や過程を大切に描きました。
最初は、野良犬に対しておっかなびっくりだった主人公の男の子が
心を配らせていって、だんだんと「あの犬を守ってあげたい」と
そんな思いが出てくる気持ちの変化を大切にしました。
物語の転機となる箇所に
このようなセリフがあります。
引き取ってもなつかないのでは、という保健所のおじさんの言葉に
瞬時に
「それでもいいんです」と返すシーンで
いつの間にか守ってあげたい気持ちが溢れて
恐れより愛情が打ち勝った瞬間を心情を描きたいと思いました。
ただただ、その子(犬)の幸せだけを祈っている
尊い心を描けたらと思いました。
5)出版後の反響
続々、読書感想文なるレビューが届いておりますので
一部ご紹介させていただきますね。
心待ちしていました「きみのなまえ」 早速お送り頂き有難うございました。 何か話したげな表紙のワンちゃんはどんな名前を つけてもらえるのかな、と読み進むうち予想外の 展開になり思わず涙が・・ 1匹の犬と登場人物のすべてが表情ゆたかに生き生きと 描かれていて絵本から立ち上がってくるような存在感を 感じました。 明るくひたむきな母と子の行動が私を励まし、 ワンちゃんの可愛い笑顔が幸せな温かい気持ちにさせてくれました。 なんども読みたい大切な絵本です。 有難うございました。
早速昨日2冊届きました 😊😊 金澤先生の絵がとても素敵で、ストーリーをより温かくし、ストーリーのイメージがより鮮明に伝わりました💕。 ソファーの絵は最高に可愛いいです😍。 クライマックスで題名の意味が分かり涙😢涙😢です。
皆、温かい気持ちはあるけど行動する「勇気」について考えさせられました😉
これからも金澤先生の素敵な作品を楽しみにしております。 お身体ご自愛くださいませ😊
表紙のクリちゃんに一目惚れしての購入でした✨とても素敵なお話で、読み終えて心があたたかくなりました。クリちゃんが飼い犬になったことを知った人々の反応は、ちょっとニヤニヤしてしまうほど嬉しいものでした。 ご家族皆さんで読んでいただきたい素敵な絵本です! 私も出逢えて幸せです✨
とても優しい物語です。小さいお子様にも勧めて行きたいと思います。孫が産まれたら絶対読見聞かせたいと今から楽しみにしています。
可愛くて娘が大喜びです^ ^寝る前の読み聞かせが楽しくなりました。ありがとうございます^ ^
内容は素晴らしいく感動致しました。
その中でも金澤さんの絵が素敵で
絵がストーリーのイメージを温かいものにして、
より感動を与える作品だと思います。
いろんな方が名前を付けていたというクライマックスは
感動しました。
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みなさまご感想までありがとうございました!
朝日新聞に掲載していただいたらまたお知らせしますね^^*
とっても楽しみです♪
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